特に身体的・精神的ストレスの多い人は、記憶障害のリスクが高まります。
気になる症状がないか、定期的なチェックが必要です。
本記事では、ストレスによる記憶障害や、記憶障害のチェック方法について解説します。
- ストレスによる記憶障害の種類
- ストレスによる記憶障害をチェックする方法
- ストレスに対処する方法
ぜひ本記事を最後までお読みください。
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ストレスによる記憶障害
ストレスによる記憶障害には、健忘症や解離性健忘症があります。
それぞれの症状と、なりやすい人の特徴について解説しますので、心当たりがないか、チェックしてください。
健忘症
健忘症は、過去の出来事・記憶を思い出せなくなる障害です。
いわゆる「物忘れ」ですが、日常生活に支障をきたすほど症状が深刻な場合は健忘症と呼ばれます。
健忘症は、脳に何らかの障害が起きることで発症します。
脳が損傷する部位に応じて、物忘れの程度や現れ方が異なります。
症状
健忘症による記憶障害の種類は、大きく分けると前向性と逆行性の2種類です。
前向性障害は、障害発症後を対象とする記憶障害です。
つまり、新しい情報・物事を覚えられなくなります。
一方、逆行性の記憶障害では、障害発症前の記憶障害です。
すなわち、過去の出来事・体験の記憶が抜け落ちます。
多くの場合、逆行性の記憶障害では、過去の体験・記憶の一部を思い出せなくなります。
このように、特定期間・出来事に関する記憶障害を部分健忘といいます。
反対に、過去の記憶すべてを忘れた場合は、全健忘に該当します。
全健忘は、部分健忘に比べて稀な症状です。
健忘症の具体的な症状は、以下の通りです。
当てはまる症状がないか、ぜひチェックしてください。
【健忘症の主な症状の例】
- 新しい取引先の会社名を覚えられない(前向性障害)
- 今朝の朝食のメニューを思い出せない(前向性障害・部分健忘)
- 同級生の顔・名前を思いだせない(逆行性障害・部分健忘)
- 過去の記憶がまるでない(逆行性障害・全健忘)
なりやすい人
健忘症は、年齢とともに誰でもなりやすくなります。
脳機能は加齢にしたがって衰えるため、記憶力も自然に低下していきます。
脳機能の老化スピードが早い人は、健忘症になりやすいのです。
脳機能の老化スピードが早くなる原因は、生活習慣の乱れにあります。
具体的には、飲酒・喫煙・睡眠不足・栄養不良などです。
飲酒・喫煙・睡眠不足・栄養不良は、脳内の血流を悪化させ、脳機能の低下を引き起こすことがあります。
おなじく、ストレスも脳の血流悪化の原因となります。
よって、ストレスを抱えている人も健忘症になりやすい人です。
【健忘症になりやすい人】
- 高齢者
- 飲酒・喫煙する人
- 慢性的な睡眠不足・栄養不良の人
- ストレスが多い人(仕事が忙しい・対人関係ストレス)
誰でもうっかり日常的に経験するもの忘れ。笑い話になるようなものなら良いですが、ヒヤリとするようなことが増えてきたら不安になるものです。一般的な単なる物忘れと、記憶障害の一つである健忘症とはどう違うのでしょうか。また、もしも健[…]
解離性健忘症
解離性健忘症とは、健忘症の中でも、ストレス・トラウマなどの心的外傷を原因とする障害です。
記憶障害のあらわれ方、程度は個人差があります。
大きな特徴として、自分に関する重要な情報が抜け落ちることが挙げられます。
症状
解離性健忘症の症状は、記憶障害です。
健忘症との大きな違いは、忘れる対象が、自身に関する重要な過去である点です。
解離性健忘症は、自身の悲惨な体験を引き金とする障害です。
そのため、失われる記憶は、自身の悲惨な体験にまつわる場合が、ほとんどです。
たとえば、強姦によって解離性健忘症が起きた場合、抜け落ちるのは強姦の記憶あるいは強姦の前後の記憶です。
なお、記憶障害の程度は、解離性健忘症の中でも、タイプによって異なります。
解離性健忘症の主なタイプと症状は、以下の通りです。
- 限局性健忘…特定の期間・出来事をすべて忘れる
- 選択的健忘…特定の期間・出来事のうち、一部の内容を忘れる
- 全般性健忘…過去の記憶全てを失う(自分の名前や、習得した技能などを含む)
記憶障害は、短期で治ることもあれば、数年単位で続くこともあります。
場合によっては、一生思い出せないこともあります。
また、解離性健忘症の方に多い症状の一つに、悲惨な出来事を追体験するフラッシュバックがあります。
なりやすい人
一般的には、女性・若年層に多い障害です。
また、発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害が、解離性健忘症をはじめとする解離性障害の発症に関係があるのではないかとも考えられてきています。
解離性健忘症の原因は、精神に異常をきたすほどの心理的ショックを受けることです。
つまり、大きな心理的ショックを経験した人は、解離性健忘症になりやすいのです。
【解離性健忘症の原因となる出来事の例】
- 幼児期や長期にわたる虐待
- レイプ
- 戦争・大量殺人への参加・目撃
- 犯罪を犯した・目撃した
- 大規模な事故・自然災害
- 子供・恋人・身内など愛する人の死
- 収容所への抑留
- 過度な対人関係ストレス(暴力・パワハラ・セクハラなど)
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ストレスによる記憶障害のチェック法
ストレスによる記憶障害は、いつのまにか起こっていることが多いため、発見が遅れることも少なくありません。
もし「最近物忘れが激しいな」と思ったら、自身で記憶障害かどうかチェックしてみることが大切です。
以下のチェック項目が複数あてはまる場合は、ストレスによる記憶障害の可能性があります。
ぜひチェックして、早期発見・早期治療に役立ててください。
【ストレスによる記憶障害のチェック項目例】
- 慢性的な疲労・ストレスを感じている
- 自分が今「どこで」「なに」をしているか分からない
- 新しいことを覚えられない
- 記憶が一時的になくなったという経験がある
プラズマローゲンとは?サプリについても説明
プラズマローゲンとは、グリセロリン脂質の一種であり、細胞を構成する主要な成分です。
人間の全身のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンであるといわれており、特に脳に多く存在しプラズマローゲンは人間が存在する上でとても重要な成分と考えられています。
しかし、このプラズマローゲンはさまざまな要因で減少しやすい成分でもあります。
酸化ストレスや炎症、神経の変性、感染症や外傷など、さまざまなストレスにさらされることで、プラズマローゲンが減少していきます。
特に、脳の海馬や前頭葉には多くのプラズマローゲンが含まれており、成分の減少と認知症の進行度には関連性があるという報告もあります。
プラズマローゲンは現在、認知症対策のサプリメントとして販売されています。 1995年にアルツハイマー型認知症の患者の、脳のプラズマローゲンが減少していることが確認されました。
その後、2007年にはアルツハイマー型認知症患者の血清でもプラズマローゲンの減少が認められており、プラズマローゲンは認知症と関係があると考えられています。
また、アルツハイマー型認知症の発症には、アミロイドβたんぱくの沈着が関係しているといわれています。
プラズマローゲンは、アミロイドβたんぱくの沈着を抑える効果のほか、脳神経細胞のアポトーシス抑制の効果も見込めるため、プラズマローゲンを摂取することで認知症への対策が期待できます。
出典:認知症との関係|AdvancedMedicalCareInc.
認知症予防に使われるサプリについて知りたい方は、ぜひこちらの記事もお読みください。
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記憶障害の予防|ストレスの対処には
ストレスによる心身の不調を感じている方は、ぜひ以下のストレス解消法をチェックしてください。
ストレスを感じる機会を減らす
ストレスを溜めないためには、ストレスを感じる機会を減らすことが大切です。
まずはストレスの原因を探り、何にストレスを感じやすいかチェックしましょう。
たとえば仕事が原因なら、具体的に仕事のどこにストレスを感じているのか考えます。
「仕事に追われている」と感じるなら、業務時間外は、意識して仕事のことを忘れるとよいでしょう。
あるいは、できる範囲で同僚に仕事を振るのも、よい方法です。
このように、ストレスを減らす具体的な方法を立てるには、ストレスの原因を正しく把握することが大切です。
ストレスを発散
すでに溜まっているストレスは、発散しましょう。
自分の趣味や好きなことに取り組むことで気分がリフレッシュでき、ストレス発散につながります。
とくに体を動かしたり、感情を爆発させたりすることは、リフレッシュに効果的です。
【ストレス発散方法の例】
- スポーツ
- 感動的な映画を見て思いきり泣く
- 趣味(絵画・読書・旅行)
ストレスによる記憶障害のチェック法まとめ
ここまで、ストレスによる記憶障害とチェック方法について、お伝えしてきました。
- ストレスによる記憶障害には健忘症や解離性健忘症などがある
- 生活習慣の乱れやストレスがある人は、記憶障害になりやすい
- ストレスによる記憶障害が疑われる場合、慢性的な疲労、ストレスの有無、物忘れの有無などをチェックする
- ストレスの原因を解明し、趣味やスポーツなどで解消に努める
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。