超高齢社会の日本において、年々増加している認知症。
認知症予防の重要性も次第に高まっています。
その中で、認知症になりやすい食べ物があることをご存知でしょうか?
食べ物と認知症の関係を把握し、認知症予防と向き合うことが大切です。
本記事では、認知症になりやすい食べ物について以下の点を中心にご紹介します。
- 認知症になりやすい食べ物
- 認知症の予防になる食べ物
- 認知症を予防する食事法
認知症リスクを軽減させるためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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認知症とは
認知症とは、脳が萎縮し理解力や判断力が低下している状態です。
加齢や病気、喫煙など、さまざまな原因があります。
残念ながら、多くの認知症は一度発症すると完治が見込めません。
一般的な認知症治療では、症状の緩和や進行の抑制が目的となっています。
根本的な治療法が見つかっていないからこそ、認知症の発症リスクを下げるための生活習慣が非常に大切です。
私たちにとっても大変身近な「日々の食べ物」も、認知症予防と関わっています。
認知症になりやすい食べ物、予防となる食べ物を以下でご紹介します。
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認知症になりやすい食べ物
私たちが日々口にする食べ物ですが、中には認知症の発症リスクを高めているものもあります。
では、どのような理由で危険につながるのでしょうか?
認知症になりやすい食べ物について、成分や摂取量の観点から説明していきます。
赤身肉
赤身肉の食べ過ぎは、高血圧を引き起こし脳にダメージを与えるとされています。
高血圧を放置するとアミロイドβという特殊なタンパク質が溜まりやすくなります。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症の主要原因の一つです。
また、赤身肉の鉄分が身体を糖化させるとも考えられます。
糖化は「身体のサビ」とも言われ、老化の原因にもなります。
しかし、赤身肉にはビタミンBやミネラルも豊富なため、週に500グラムを目安に摂取することがおすすめです。
マーガリン・ラード
マーガリンやラードに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取は、血中のLDLコレステロールを増やし動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化が起きると、脳へのダメージも起きやすいです。
マーガリンやラードは市販の総菜やファーストフードなど、さまざまな製品に含まれています。
過剰摂取しないよう意識することが大切です。
菓子パン
菓子パンにはマーガリンなどのトランス脂肪酸が多く含まれています。
また、砂糖や小麦が腸内の悪玉菌を増やし、高血糖からの認知症に繋がるリスクがあります。
毎朝菓子パンを食べる習慣がある方は、食生活の見直しを検討するといいかもしれません。
過度な飲酒
過度な飲酒は脳の萎縮を引き起こすリスクがあります。
先述したように、認知症は脳の萎縮が原因となって引き起こされます。
最近の調査でも、飲酒量と脳の萎縮率は比例することがわかりました。
つまり、飲酒量が増えるほど脳が萎縮するということです。
加齢とともに低下する記憶力や学習能力を、アルコールが加速させることが原因です。
逆に言えば、過度の飲酒を控えると脳の萎縮を改善させることも期待できます。
心当たりのある方は、少しずつ飲酒量を制限してみてください。
認知症の原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
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認知症の予防になる食べ物
ここまで、成分や摂取量から認知症になりやすい食べ物をご紹介しました。
以下では認知症の予防になる食べ物をご紹介します。
魚
魚には、DHA、EPA、DPAといった脂肪酸が多く含まれています。
これらの脂肪酸には、血圧を下げる、動脈硬化を引き起こす悪玉コレステロールを減らすといった効果があります。
そのため、DHAやEPAの摂取は認知症予防としての効果が高いです。
摂取量は1日1切れ以上の魚がいいとされています。
緑黄色野菜・果物
日本生活習慣病予防協会によると、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEなどが認知症予防に効果的との研究結果が出されました。
特にアスパラガスやかぼちゃ、にんじん、ほうれん草などはこれらのビタミンが豊富です。
血中コレステロール低下や血管老化防止の役割も担ってくれます。
認知症予防だけではなく、日々の健康のために緑黄色野菜や果物を摂ることもおすすめです。
カレー
カレーの香辛料として使われているターメリックが、認知症予防につながる食べ物として期待されています。
ターメリックの中でも、「クルクミン」という成分が重要です。
クルクミンは、認知症の原因となるアミロイドβを脳内から除去して、溜まりにくくすると考えられています。
コーヒー
全日本コーヒー協会によると、コーヒーに含まれるβセクレターゼが認知症の原因となるアミロイドβを減らすことが見込まれています。
ただし、不確定な要素も多く、確実とは言い切れません。
糖分を抑えるためにもブラックで飲むことがおすすめです。
緑茶
緑茶の成分であるテアニンの摂取が、認知症予防に効果があると期待されています。
このテアニンが、グルタミン酸による過剰な脳神経細胞死を抑えるとともに、脳梗塞による神経細胞死を抑えることが動物実験で確認されています。
1日の摂取目安量は緑茶2杯です。
赤ワイン
認知症を予防するうえでは、赤ワインに含まれるレスベラトロールの摂取が大切です。
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールには、記憶力の回復や認知症の発症リスクを下げる効果があると報告されています。
その他、赤ワインのカリウムには高血圧の低下の効果があり、間接的に認知症予防にもなると期待されています。
1日の摂取目安量は4杯までです。
過度な飲酒はかえって認知症の発症リスクを高めるので、注意してください。
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認知症を予防する食事法
認知症になりやすい食べ物、認知症予防になる食べ物の一例を挙げました。
しかし、何を食べるかということだけではなく、食事法も認知症に大きく関係しています。
以下で詳しくご紹介します。
バランスの良い食事
上記で挙げた認知症になりやすい食べ物を避け、認知症予防に良いとされる食べ物ばかりを食べればいいというわけではありません。
バランスよく食べることが何よりも大切です。
タンパク質やビタミン、ミネラル、脂肪、炭水化物といったメインの栄養素に加えて、ファイトケミカルも摂取しましょう。
ファイトケミカルとは、必須栄養素ではないものの、身体にとって良い働きをする栄養素のことです。
ファイトケミカルの一例として、認知症予防の効果が期待されるポリフェノールがあります。
糖分を控える
糖分を摂りすぎると血糖値が上がり、ドロドロになった血液が血管を傷つける恐れがあります。
この状態が続くと動脈硬化になり、脳へのダメージに繋がります。
脳にダメージがいきすぎると、認知症の発症リスクも高くなります。
日頃から糖分を多く含むクッキーやケーキといった食品の摂取は控えるようにしましょう。
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認知症になりやすい食べ物のまとめ
ここまで認知症になりやすい食べ物についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 認知症になりやすい食べ物は赤身肉、マーガリンやラード、菓子パンなどの過剰摂取
- 魚や緑黄色野菜、果物などは認知症予防につながる
- 糖分を控えつつ、バランスの良い食事は認知症予防につながる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。