高齢化が進む日本において、年々増加している認知症。
認知症予防の重要性も次第に高まっています。
認知症予防はハードルが高いものばかりだと思っていないでしょうか?
手遊びなど、簡単なものでも認知症予防の効果は十分高いです。
今回は、認知症予防と手遊びについて以下の点を中心にご紹介します。
- 認知症に対する手遊びの効果
- 手遊びを行うときのポイント
- 効果的な手遊びの種類
認知症予防の効果を高めるためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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認知症に対する手遊びの効果
認知症予防と手遊びにはどのような関係があるのでしょうか?
指先はインプットとアウトプット両方の機能を備えています。
何かを触ったときや痛みの感覚を脳に伝える機能と、指先を動かす機能です。
指先には、複雑な動きをするための敏感な神経が集中しており、「第二の脳」とも呼ばれています。
指先を意識して使う手遊びは脳を活性化させるため、認知症予防に効果的です。
また、どの程度の手遊びができるかを測ることで、脳の状態を知ることができ、認知症の早期発見も期待できます。
高齢の方々は、意識しないまま日常生活を送ると指先を動かす機会が少なくなります。
そのため、介護施設では積極的に手遊びを取り入れています。
手遊びは脳を活性化させるだけでなく、平凡な生活への刺激も期待できます。
楽しく気軽に行うことで、メンタルを明るくしてくれるというメリットもあります。
また、特別な道具や広いスペースなども不要なので、どこでも簡単に行えるという点もポイントです。
転倒リスクが高い高齢の方でも、椅子に座ったまま安全に遊べます。
無理なく続けるためにも、本人に合った難易度を選ぶことが大切です。
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認知症予防で手遊びを行うときのポイント
ここまで、認知症予防としての手遊びの効果をご紹介しました。
実際に継続していくためには、いくつかのポイントがあります。
それぞれのポイントを以下でご紹介します。
毎日行う
認知症予防は、毎日継続して行うことが大切です。
手遊びも例外ではありません。
手遊びは脳を活性化させるだけではなく、血行を良くします。
そのため、身体を動かす機会が少なくなった高齢者には、フィジカル面からも手遊びは効果的です。
また、毎日継続することで以下のようなメリットがあります。
- 日々の成長を感じて自信が持てる
- 継続することで面倒な気持ちに打ち勝てる
簡単なものから始める
手遊びは、種類によって難易度もさまざまです。
いきなり難しい手遊びにしてしまうと混乱してしまうため、注意が必要です。
また、人によっては手遊びがつまらなくなってしまう場合もあります。
本人の状態を把握し、難易度を徐々に上げていくことが大切です。
楽しく続ける
老人ホームや介護施設の利用者にとって、「幸せを実感できる機会」は非常に大切です。
脳の活性化という目標にこだわりすぎて、楽しさを疎かにしては意味がありません。
できなかったとしてもストレスや不安を感じないような環境作りを心がけましょう。
手遊びを「楽しい」「幸せ」と感じるプログラムとして捉えることが大切です。
コミュニケーションをとる
手遊びは一人でもできますが、複数人で行うとより効果が高いです。
じゃんけんやチームプレイなどを通して、コミュニケーションをとってみましょう。
会話を交えることで前頭葉が刺激され、物事を判断する力も鍛えられます。
認知症予防につながる手遊び
手遊びは、種類によってレベルがさまざまだとお伝えしました。
ここでは、誰でも簡単にできる手遊びをいくつかご紹介します。
本人が楽しく続けられそうなものを取り入れてみてください。
指体操
指体操は初級、中級、上級に分かれています。
初級では、数を数えるように片手ずつ指を順番に折っていき、10本折ったら元に戻していきます。
中級になると、両手の指先を合わせ、親指同士をくるくる回し、次は人差し指を回していきます。
初級、中級が簡単な方は、輪ゴムを使って筋力を鍛える指運動がおすすめです。
キツネのポーズを作り、親指、中指、薬指に輪ゴムをひっかけ、それぞれの指を広げるといった方法があります。
本人が楽しく行えるものから始めてみてください。
歌謡曲を使った手遊び
歌を交えながら手遊びを行うことで、楽しさと複雑さが増し、一層脳へ刺激が与えられます。
「あんたがたどこさ」といった馴染みのある曲を使うとより楽しめます。
体も使ったリズム運動
可能であれば、指先と一緒に全身運動も行うと効果的です。
脳を活性化させるだけでなく、運動不足の解消にもつながります。
足踏みをしたり、前後左右へ移動したり、可能な範囲でリズム運動をすると認知症予防に効果的です。
手遊び以外の認知症予防につながる習慣
手遊びの他にも認知症の予防方法は多々あります。
認知症の発症リスクを下げるためにも、できることから実践することが大切です。
ここでは、すぐに始められる予防習慣をご紹介します。
食習慣
青魚や大豆、オリーブオイルに含まれる成分は認知症予防に効果的です。
しかし、過剰に摂取してしまうと栄養が偏ってしまい逆効果となってしまいます。
まずは、バランスの良い食習慣を心掛けましょう。
運動習慣
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウタンパクといった毒素が脳内に溜まることで発症します。
研究から、運動習慣の有無と脳内の毒素に関係があることが分かっています。
運動習慣がない方の方が、脳内の毒素が溜まりやすいという結果でした。
運動することで血行が良くなり、毒素が流されやすくなるからだと考えられています。
運動といっても、激しく行う必要はありません。
認知症を予防する上では、運動量よりも習慣の有無が大切です。
知的行動習慣
ゲームや文章の読み書きなども、認知症予防に効果的です。
趣味とも関連させながら行うと、簡単に継続できます。
本人の知的好奇心を刺激できるよう、周囲の方もサポートしてみましょう。
睡眠習慣
上述の通り、アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因物質です。
そんなアミロイドβですが、寝ている間は脳内から減っていくことが研究で分かっています。
質が良く、まとまった時間の睡眠は認知症予防に非常に効果的です。
夜寝付けないという方は、日中の運動量を増やすこともおすすめです。
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認知症カフェで手遊び?
認知症カフェは、認知症の方や家族が気軽に交流できるカフェです。
コミュニケーションがとれる他、手遊びや工作などのプログラムが用意されている場合もあります。
プログラムはもちろんですが、社会的なつながりを持てるという点が非常に大切です。
一般的に、高齢になるにつれて、人と関わる機会は徐々に減っていきます。
社会的に孤立してしまい、脳への刺激が少なくなっている方も少なくありません。
また、一人では認知症の予防習慣をなかなか始められないという方もいらっしゃいます。
同じ悩みや目標を持った方に出会えると、お互いに助け合うこともできます。
少しでも不安に感じたら、認知症カフェを気軽に利用してみてください。
認知症予防と手遊びのまとめ
ここまで、認知症予防と手遊びについてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 手遊びは、脳を刺激するだけでなく、認知症の早期発見やメンタルヘルスも期待できる
- 毎日楽しく継続し、誰かと一緒に行うことが大切
- 指先の体操やリズムに合わせた指運動がおすすめ
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。