栄養素は、健康を保つために欠かせない成分です。
栄養素には具体的にどのような働きがあるのか御存じですか。
本記事では栄養素について、以下の点を中心にご紹介します。
- 五大栄養素とは
- 五大栄養素の働き
- 一日あたりの栄養の摂取量の目安
栄養素を知るためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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栄養素の基礎知識
そもそも栄養素とはなんでしょうか。
まず前提として、人は、生命活動するうえで必要なエネルギーや身体を構成する成分である栄養を摂取しなければなりません。
栄養素は、栄養の源になる物質を指します。
つまり、人間が身体を健やかに保ち、活動するために必要な成分が栄養素と呼ばれます。
栄養素にはさまざまな種類があります。
栄養素の中でも、人間の生命活動に必要とされる成分は約40種類です。
40種類の栄養素は、性質ごとにいくつかのグループに分けられます。
なお、栄養素のグループの分け方にはさまざまな方法があります。
代表的な分け方として、以下の3つを紹介します。
五大栄養素
40種類の栄養を、性質ごとに5つのグループに分類する方法です。
各グループ名は以下の通りです。
- 糖質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
- タンパク質
五大栄養素の役割は、「身体を作る」「調子を整える」「エネルギーになる」の3つです。
ただし、具体的な働きは各グループによって異なります。
五大栄養素の各グループの働きについては、のちほどご紹介します。
三色食品群
栄養素を体内での働きや特徴ごとに3つのグループに分ける方法です。
各グループは赤・緑・黄の3色で色分けされています。
- 赤:体を作る栄養素(タンパク質・カルシウム など)…肉・魚・大豆・乳製品
- 緑:調子を整える栄養素(ビタミン・ミネラル など)…野菜・果物・きのこ
- 黄色:エネルギーになる栄養素(炭水化物・脂質 など)…米・いも類・砂糖・油脂
6つの基礎食品群
似た働きを持つ栄養素を、食品別に6つのグループに分ける方法です。
グループ分けは、上記の三色食品群に基づいて行われます。
- 1群(赤):骨・筋肉を作る(タンパク質)…肉・魚・卵
- 2群(赤):骨や歯を作る(カルシウム)…牛乳・乳製品・海草・小魚
- 3群(緑):皮膚や粘膜の保護(カロテン)…緑黄色野菜
- 4群(緑):体の調子を整える(ビタミンC)…淡色野菜・果物・きのこ
- 5群(黄):エネルギーになる(糖質)…炭水化物・穀類・いも塁
- 6群(黄):エネルギーになる(脂質)…油脂・脂肪の多い肉
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五大栄養素とは
5大栄養素の主な働きは以下の3つです。
- 体を作る
- 体の調子を整える
- 力や熱などのエネルギーになる
具体的な働きは各グループによって異なります。
ここからは、5大栄養素の各グループの働きや特徴について解説します。
糖質
糖質は体や脳のエネルギーになります。
他のエネルギー源と比べると、即効性が高いのが特徴です。
糖質は素早く消化されたあと、小腸から吸収されます。
その後、エネルギーに変換された糖質は、肝臓や血中に送られます。
血中に放出された糖質は、ブドウ糖あるいは血糖と呼ばれます。
血糖は血液と一緒に全身をめぐりながら、各器官のエネルギー源として消費されます。
血糖の消費量が多いのが、脳です。
脳は血糖が多いほど活発化し、逆に血糖が少なくなると働きが低下します。
空腹時に頭がぼんやりするのは、脳が糖質不足を起こしているからです。
極端な場合には意識障害が起こることもあります。
脳が血糖不足になると、エネルギーを補おうとして筋肉や脂肪が分解されはじめます。
なぜ筋肉や脂肪が分解されるかというと、糖質の余剰分が貯蔵されているからです。
前述のとおり、糖質は小腸で吸収され、肝臓に送られます。
肝臓に送られた糖質の一部はグリコーゲンと名を変え、筋肉に蓄えられます。
脳や全身がエネルギー不足になると、筋肉中のグリコーゲンは分解され、エネルギー源として提供されます。
なお、グリコーゲンは脂肪にも蓄積されます。
一般的には、筋肉や脂肪に蓄えられたグリコーゲンの量が多いほど、体力・スタミナがあります。
つまり糖質は脳のエネルギーになるだけでなく、体を元気に保つうえでも、とても大切な栄養素です。
ただし、糖質の摂りすぎには注意が必要です。
糖質の摂取量が過剰になると、グリコーゲンは筋肉ではなく、脂肪につきやすくなります。
いわゆる中性脂肪のことで、肥満の大きな要因です。
さらに、糖質の摂りすぎは糖尿病などの生活習慣病のもとでもあります。
極端に摂取を控えるのはよくありませんが、摂りすぎにも注意しましょう。
【糖質が豊富な食品】
- 白米
- パン
- いも類
- 砂糖
- 豆類・大豆
- うどん・パスタなどの麺類
脂質
体のエネルギー源となる栄養素です。
さらに、体の調子を整える作用もあります。
代表的な働きは、脳神経・細胞・臓器の構成成分として消費されることです。
そのほかにも、ビタミンの吸収促進・体温の保持・ホルモンバランスの調整・皮膚や髪の保湿などの働きがあります。
脂質を構成する脂肪酸には2種類あります。
一つ目は肉・乳製品などに豊富な「飽和脂肪酸」で、常温では固体化するのが特徴です。
2つ目は魚・植物に豊富な不和脂肪酸で、常温で液体化します。
人間の体にとくに重要なのは不和脂肪酸です。
不和脂肪酸は人体ではほぼ合成できないため、食品から摂取しなければなりません。
なお、不和脂肪酸のうち、オメガ3には動脈硬化や血栓を予防する作用があります。
つまり脂質は、体のエネルギーになるだけでなく、体を健やかに保つために欠かせない栄養素です。
髪や肌を美しく保つ作用があるため、外見を整えるうえでも不足しすぎるのはよくありません。
ただし、過剰な摂取は肥満のもとです。
【脂質が豊富な食品】
- 青魚
- 牛肉(脂身)
- 豚肉(脂身)
- 鶏肉(もも)
- オリーブオイル・サラダオイルなどの油脂
- バター・チーズなどの乳製品
- チョコレート・ケーキなどのお菓子
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タンパク質
タンパク質は人間の体の構成成分のうち、約20%を占める栄養素です。
体を作るうえで欠かせない栄養素であり、具体的には筋肉・皮膚・爪・髪・臓器などの原料となります。
タンパク質はホルモン・免疫細胞・酵素の原料としても使用されます。
あるいは、ビタミンなどの栄養を運搬したり、体のエネルギーとして消費されたりすることもあります。
タンパク質は、20種のアミノ酸から成り立ちます。
タンパク質にもさまざまな種類がありますが、違いは20種のアミノ酸の配列の仕方です。
20種のアミノ酸のうち、9種は必須アミノ酸と呼ばれます。
必須アミノ酸は人体の維持に欠かせない成分ですが、人間の体内では合成されません。
そのため、必須アミノ酸は食品から補給する必要があります。
なお、必須アミノ酸がすべてバランスよく含まれている食品は、「良質なタンパク質(源)」と呼ばれます。
もちろん、必須アミノ酸以外のタンパク質も重要です。
タンパク質は筋肉・肌・髪・内臓・細胞・ホルモンの構成物質として、常に消費されているからです。
つまり、健康な体を維持するには、定期的にタンパク質を摂取することが大切です。
タンパク質が不足すると、筋肉が落ちたり、髪や肌が荒れやすくなったりします。
ホルモンや免疫細胞の生成にも支障をきたすため、健康が損なわれることもあります。
たとえば風邪にかかりやすくなるケースが代表的です。
脂質の摂取を控えている方は、タンパク質の摂取もおろそかになっていることが多いです。
特に高齢の方は注意が必要です。
食事量自体が少なくなると、知らない間にタンパク質不足に陥る可能性があるからです。
【タンパク質が豊富な食品】
- 赤身肉
- ささみ・鶏むね肉・卵
- イカ・鮭・魚介類
- 牛乳
- 大豆
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ビタミン
その他の栄養の働きを助け、体の各機能を正常に保つ働きがあります。
具体的には皮膚・粘膜・骨・血管の保護や、新陳代謝の促進といった働きが代表的です。
ビタミンは、さほど量は必要ありませんが、体内では合成されず、さらに吸収率が悪いため、定期的に食品から摂取する必要があります。
ビタミンは「水溶性」と「脂溶性」に分けられます。
水溶性は水に溶けるビタミンで、ビタミンB群とビタミンCの9種類です。
一方、脂溶性は脂に溶けやすいビタミンです。
具体的にはビタミンA・D・K・Eの4種類があります。
効率よく摂取するには、それぞれの性質を活かした調理がおすすめです。
水溶性ビタミンは水に溶けやすいため、スープなどの汁ごと食べる調理が向いています。
一方、脂溶性は油脂と仲がよいため、炒め物にしたり、ドレッシングをかけたりして食べると効率よく吸収できます。
各ビタミンの主な作用は以下の通りです。
- ビタミンC…免疫機能や白血球のサポート・コラーゲンの生成を促進
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変換する・疲労の回復
- ビタミンB2…脂質代謝の促進・肝臓や毒素分解のサポート
- ビタミンB6…タンパク質の働きをサポート・皮膚や神経を正常に保つ
- ビタミンB12…赤血球やヘモグロビンの生成をサポート
- ナイアシン…糖質代謝をサポート・アルコールの分解
- 葉酸…赤血球の生成サポート・貧血予防・胎児の発育サポート
- パントテン酸…脂質代謝のサポート・ストレスホルモンの抑制・風邪の予防
- ビオチン…アミノ酸・脂肪酸の代謝をサポート
- ビタミンA…粘膜の健康維持・視覚の正常化
- ビタミンK…血液の凝固(ケガ時の出血を止める)
- ビタミンD…骨や歯の育成をサポート・骨粗しょう症の予防
- ビタミンE…血行促進・冷え性の改善・細胞の酸化予防
ミネラル
歯や骨を作るほか、ホルモン・血液・酵素の構成成分としても消費されます。
また、筋肉や神経の働きを整える作用もあります。
人体に必要なミネラルは16種類で、「必須ミネラル」と呼ばれます。
具体的な種類は以下の通りです。
- カルシウム
- 鉄
- マグネシウム
- ナトリウム
- リン
- カリウム
- 硫黄
- 塩素
- 銅
- 亜鉛
- セレン
- マンガン
- ヨウ素
- コバルト
- モリブデン
- クロム
よく知られている種類は、「カルシウム」「鉄」「カリウム」などです。
カルシウムは骨や歯を丈夫にする栄養素です。
鉄は赤血球に多く含まれる栄養素で、酸素の運搬を助けています。
不足すると貧血のリスクが高まります。
カリウムは血圧の正常化をサポートする栄養素です。
具体的には、血中の塩分濃度や浸透圧の調整を担います。
ミネラルはビタミンと同じく、人体で合成されません。
つまり、食品から摂取する必要があります。
特に不足しやすいのはカリウム・カルシウム・鉄・亜鉛です。
また、ナトリウム・マグネシウム・リン・セレンは副作用リスクがありますので、過剰摂取に気をつけましょう。
【AGA治療】おすすめクリニック22選を見るしかし、AGAは疾患であるため、必要な治療を施さなければ治すことはできません。さらに、AGAは進行性の脱毛症のため、できるだけ早く治療を始めないと手遅れになってしまいます。「AGA治療をし[…]
五大栄養素の一覧表
食品に含まれる5つの栄養素、炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミンのことを言います。
健康的な生活を送るためには、この栄養素をバランスよく摂る必要があります。
主な効果や、食材を表にて紹介していきましょう。
栄養素 | 効果 | 食材 |
たんぱく質 | 多数のアミノ酸が連結したもので、筋肉や皮膚、毛髪、爪、臓器などの材料になったり、ホルモンや免疫に関係する物質になったりします。 | 肉、魚、卵、大豆、牛乳、チーズなど |
炭水化物 | 脳をはじめ身体を動かすエネルギー源です。 | 米、小麦、いも類、とうもろこしなど |
脂質 | 体内でエネルギー源や、細胞膜となる成分です。過剰摂取は肥満などの生活習慣病などの原因にもなります。 | 植物油、肉、魚、バター、マヨネーズなど |
ビタミン | 身体の機能を正常に保ち体の調子を整える有機化合物で、不足するとさまざま不調の原因になります。 | 野菜、果物、肉、魚、海藻など |
ミネラル | 無機質ともいい、カリウム、カルシウム、鉄などがあります。バランスよく摂取することが大事な栄養素です。 | 野菜、果物、乳製品など |
「食事バランスガイド」を参考にしよう
栄養素は、体の健康を保つためにとても重要です。
そうはいっても、具体的にどんな食品をどれくらい食べればよいのか、イマイチ分からないという方も多いでしょう。
おすすめなのは、「食事バランスガイド」を参考にする方法です。
厚生労働省と農林水産省が共同発表しているもので、一日あたりの栄養摂取の目安を表します。
具体的には、「一日に・なにを・どれくらい食べればよいか」を分かりやすく表しています。
食事バランスガイドでは、食事のメニューを主食・主菜・副菜・乳製品・果物の5つにグループ分けしています。
摂取量の目安は「SV」という単位で表されます。
SVの数字が大きい食品ほど、量を多めに食べたほうがよいということです。
なお、各グループのSVは以下の通りです。
- 主食(ごはん・パン・麺)…5~7SV
- 副菜(野菜のおかず)…5~6SV
- 主菜(肉・魚のおかず)…3~5SV
- 乳製品・果物…2SV
具体的なSVは、性別・年齢・体格・活動量で変動します。
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栄養素表示基準について
容器包装に入れられた加工食品や添加物には、食品に含まれる栄養成分に関する情報が表示されています。
栄養の供給源としての寄与が小さい食品や小規模の事業者が販売した食品などは、栄養成分表示が省略されていることがあります。
また、たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウムの量・熱量は必ず表示しなければなりません。
栄養成分表示は、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの順で、ナトリウムについては食塩相当量で表示することになっています。栄養成分の量及び熱量について「〇含有」、「低〇」などのような強調表示を行う場合の基準も定められています。
栄養素まとめ
ここまで、栄養素についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 五大栄養素とは、タンパク質・ビタミン・糖質・脂質・ミネラル
- 五大栄養素の働きは、体をつくる・調子を整える・エネルギーになる
- 一日あたりの栄養の摂取量の目安は、「食事バランスガイド」を参考にするのがおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。