健康診断で血糖値が高く、血糖値が高くなった原因などで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
血糖値が高いと体にさまざまな症状が出てしまう可能性があります。
では、血糖値が高いとどのような症状などがあるのでしょうか。
本記事では、血糖値が高いことについて以下の点を中心にご紹介します。
- 血糖値が高いとどうなるのか
- 血糖値が高いときの症状とは
- 血糖値が高くなる原因について
血糖値が高いことについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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血糖値とは
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことをいいます。
食事に含まれる炭水化物は消化され、ブドウ糖として血液中に吸収されます。
そのため、健康な方でも食前と食後では血糖値に変化があります。
通常、食前の血糖値は、約70~100mg/dlの範囲となっています。
血糖値が上がると、膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンによって、ブドウ糖が体の細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われます。
余分なブドウ糖はグリコーゲンに変換され、肝臓や筋肉に蓄えられて血糖値を下げます。
一方、お腹が空くと血糖値が下がります。
同じく膵臓から分泌されるグルカゴンというホルモンは、肝臓などに蓄えられたグリコーゲンをブドウ糖に分解します。
グリコーゲンをブドウ糖に分解したものをエネルギーとして使用して、血糖値を正常に戻します。
出典:厚生労働省【血糖値|e-ヘルスネット】
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血糖値が高いとどうなる?
血糖値が高いとどうなるのでしょうか。
それぞれの症状について、具体的にご紹介します。
さまざまな体の症状が出る
血糖値が常に高いと、血液が濃くなり脱水症状になるだけでなく、
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 肝硬変
などの病気にかかるリスクが高まります。
とくに糖尿病は、一度発症すると完全に治すことが難しいとされています。
高血糖が長期間続くため、糖尿病の三大合併症と呼ばれる合併症を起こし、重度の障害につながります。
動脈硬化が進む
血糖値の上昇は、血管に大きな負担をかけ、動脈硬化を進行させます。
動脈硬化とは、血管が硬くなったり、劣化したりすることをいいます。
動脈硬化は、
- 脳梗塞
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 末梢動脈疾患
などを引き起こす可能性が高くなります。
末梢動脈疾患は、足の血管の動脈硬化が引き金となって血流が滞り、感覚が鈍くなったり、痛くなったりする疾患です。
最終的に潰瘍や壊死を起こしたりする病気です。
感染症にかかりやすくなる
糖尿病患者では、血糖値が高いと白血球や免疫に関与する細胞の機能が低下し、病原菌と戦えない状態になる場合があります。
また、糖尿病の合併症である
- 血流障害
- 神経障害
- 人工透析
なども感染症の重症度に影響を与えるといわれています。
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血糖値が高いときの代表的な症状
血糖値が高いときの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- 口渇感や多飲しやすくなる
- 頻尿や多尿や脱水が起こりやすくなる
- 空腹感や体重減少が起こる
- 集中力の低下や倦怠感を感じる
それぞれ具体的にご紹介します。
口渇感や多飲しやすくなる
血糖値が高くなると、体は糖分が多く濃くなった血液を薄めようとして、多くの水分を摂るようになります。
しかし、水をたくさん摂りますが、単純な喉の渇きとは異なります。
血糖値が安定するまで水分を求めるため、お腹は水で膨らんでいても、まだ飲みたくなるという感覚があります。
頻尿や多尿や脱水が起こりやすくなる
高血糖症の症状の1つに、排尿の回数や量の増加があります。
糖尿病はその名の通り、尿中に糖が排泄される病気です。
糖を排出するために、尿の回数が増えて頻尿になるとされています。
空腹感や体重減少が起こる
糖尿病は、悪化すると体重が減りやすくなるという特徴があります。
しかし、体重が増えることも糖尿病に大きな影響を与えています。
いくら食べてもエネルギーに変換できなければ、すぐに消費されてしまうので、体重が増えることはありません。
ダイエットをしていないのに、急激に体重が減っていく方、最初は太っていたのにだんだん体重が減っていく方は注意が必要です。
集中力の低下や倦怠感を感じる
疲れは、高血糖の代表的な症状とされています。
インスリンの働きが低下すると、体のエネルギー源であるブドウ糖がうまく吸収できなくなります。
その結果、エネルギー不足になり、
- 疲れやすい
- だるい
- 食後に眠くなる
などの症状があらわれます。
血糖値が高くなる原因
血糖値が高くなる原因には、以下のようなものがあります。
- 食後は必ず高くなる
- 糖質を過剰に摂取している
それぞれ具体的にご紹介します。
食後は必ず高くなる
血糖値は、食事の摂取や空腹などの影響により上がったり下がったりを繰り返します。
通常、2時間後には食事前と同じ値まで血糖値が下がります。
しかし、血糖値の下がりが不十分なため、2時間経過しても高値を示すことがあります。
インスリンというホルモンは、血糖値を下げる役割を担っています。
インスリンは膵臓から分泌されて、血液中のブドウ糖を取り込み血糖値を下げ、吸収されたブドウ糖はエネルギー源になります。
しかし、食後高血糖がある場合は、インスリンが適切に機能していないか、最初から十分な量のインスリンが分泌されていない可能性があります。
そのため、血糖値が高い状態となります。
糖質を過剰に摂取している
糖分を摂りすぎると、余分な糖分が血液中に残り、高血糖を引き起こします。
また、食べ過ぎによる肥満になっている方は、インスリンの働きが不十分なため、血液中の糖が多い状態につながります。
1日1〜2食の生活を送ると、血糖値が上がりやすい食生活になるとされています。
たとえば、食べ過ぎてしまったり、食事の時間が遅いために食べてすぐ寝てしまったりなどが考えられます。
また、丼物や麺類など炭水化物の多いメニューは糖質が多く、このような食事を摂る方は血糖値が急上昇しやすくなります。
食事は、
- 食物繊維
- 肉、魚
- 米やパンなどの炭水化物
の順で食べると、食べ過ぎを防ぎ、血糖値の上昇を遅らせられます。
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空腹時に血糖値が高くなる原因
空腹時に血糖値が高くなる原因には、以下のようなものがあります。
- インスリンの作用に不具合が起きている
- 間食を摂っている
- 運動不足
- ストレスがたまっている
それぞれみていきましょう。
インスリンの作用に不具合が起きている
インスリンが効かなくなる原因はいくつかありますが、その1つはインスリンの分泌が十分でないことです。
インスリンは、血糖値をコントロールする働きをしています。
しかし、インスリンが分泌されても、細胞や臓器がそれにうまく反応しないインスリン抵抗性という状態があります。
インスリンは血糖値を下げるだけでなく、ブドウ糖を特定の臓器に吸収させる役割も担っています。
しかし、肥満や運動不足などの生活では、インスリンの働きを妨げる物質を発生させることがあります。
その結果、ブドウ糖が処理されなくなり、高血糖の状態が続いてしまいます。
間食を取っている
食後の血糖値の変化は、食事や間食の種類によって異なり、糖質の多い食品を多く食べるほど血糖値が上昇します。
血糖値は、食事後に時間が経つと少しずつ下がりますが、間食を摂る時間帯によっては血糖値が下がりきらずに次の食事を摂ることになります。
また、血糖値が高いまま就寝すると、朝まで血糖値が高いままになることもあります。
糖質の多い食品を食べて血糖値が上がると、血糖値を下げようとして大量のインスリンが分泌されます。
この状態は「血糖値スパイク」と呼ばれ、
- 動脈硬化
- 脳卒中
- 自律神経の乱れ
などのリスクを高めるため注意しましょう。
運動不足
現代社会ではデスクワークが増加し、交通手段の拡大により歩く機会がますます減っています。
また、運動不足により、食事で摂取した糖分がエネルギーとして使われず、体内に蓄積して血液中に停滞し、高血糖を引き起こします。
運動習慣を身につけるために、忙しいスケジュールに以下の運動を取り入れてみましょう。
- 朝早く起きたら1駅先まで、早く帰れる日1駅手前から歩く
- いつもより離れたレストランでのランチをして、帰りは歩く
- エスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使う
- 予定のない日は、時間をかけて家を掃除したり、家を模様替えしたりする
ぜひ、日常生活に運動習慣を取り入れましょう。
ストレスがたまっている
ストレスの多い生活を送っている方は、高血糖になる可能性も高くなるとされています。
私たちの体は、ストレスがかかるとエネルギーを必要とし、必要な糖の量が増えるとされています。
また、ストレスに対処するためのエネルギーを確保するために、体の中では筋肉を壊して糖を作ろうとします。
そのため、甘いものを食べなくても、ストレスがあるだけで血糖値が上昇する可能性があります。
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血糖値が高くなる食事とは
血糖値が高くなる食事には、以下のようなものがあります。
- 糖質の高い食べ物ばかり摂っている
- 食事の摂り方が不規則
- 食物繊維の摂取が少ない
それぞれ具体的にご紹介します。
糖質の高い食べ物ばかり摂っている
糖質の過剰摂取を繰り返すと、インスリンの分泌と作用に異常が生じる可能性があります。
糖尿病は、インスリンの分泌や働きに異常が生じ、血糖値を適切にコントロールできなくなると発症するリスクが高くなります。
糖尿病が進行すると、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞、感染症による下肢の壊死の原因となる場合があります。
これらのリスクを回避するには、糖質を過剰に摂取しないように気をつけましょう。
食事の摂り方が不規則
血糖値を安定させるためには、食事のタイミングが大切です。
食事の間隔が短かったり、長かったりすると、血糖値を安定させるのが難しくなります。
また、1日に何度も食事をすると、体が血糖値を下げるタイミングがないため、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態が続きます。
また、空腹状態が長く続くと、血糖値の低下を防ぐために体内で糖をつくり出します。
さらに、食事の摂取により血糖値の上昇が重なってしまいます。
そのほか、食事のタイミングが乱れると早食いや食べ過ぎになりやすく、血糖値の急激な上昇につながります。
食物繊維の摂取が少ない
食物繊維の摂取が少ないと血糖値が高くなる傾向にあります。
食物繊維は便秘の症状を改善するだけでなく、糖分の消化と吸収を遅らせる働きがあります。
水溶性食物繊維を最初に摂取すると、白米だけを摂取した場合よりも血糖値が低くなるとされています。
そのため、食物繊維には血糖値の上昇を抑える効果があるため、食物繊維の摂取が少ないと血糖値が高くなるとされています。
血糖値が高いのを調べるための特定健診
特定健診は、生活習慣病のリスクが高い方を把握するため、メタボリックシンドロームよりも厳しい基準で行う健診です。
健診で異常が見つかった方は、生活習慣の改善の指導を行っています。
血糖値が高いと、糖尿病のリスクが高くなります。
糖尿病の患者さんの健康診断結果を時系列で追ってみると、糖尿病発症前の約10年間は血糖値が正常範囲にあったケースが多く見られます。
しかし、徐々に血糖値が上昇していくケースが見受けられます。
各種検査の値が正常値の上限または下限に近い場合は、どのような生活習慣が異常を引き起こしているのかを考え、早急に対処する必要があります。
出典:厚生労働省【高血糖 | e-ヘルスネット】
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血糖値が高いのまとめ
ここまで、血糖値が高い情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 血糖値が高いと、動脈硬化が進む、感染症にかかりやすくなるなど
- 血糖値が高いときの症状は、口渇感や多飲しやすくなる、頻尿や多尿になるなど
- 血糖値が高くなる原因は、食後は必ず高くなる、糖質を過剰に摂取しているなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。