ホーム

認知症を学ぶ

健康を学ぶ

介護を学ぶ

専門家から学ぶ

健達相談所

トップページ>認知症を学ぶ>アルツハイマー型認知症>ダウン症の方はアルツハイマー病になりやすい?症状や検査方法を解説!

ダウン症の方はアルツハイマー病になりやすい?症状や検査方法を解説!

先天性の症状として広く知られているダウン症。
ダウン症と同じく、アルツハイマー病も広く認知されています。

ダウン症とアルツハイマー病の間に関わりがあることをご存知ですか?

本記事では、ダウン症とアルツハイマー病について以下の内容を中心にご紹介します。

  • ダウン症とはどんな症状があるのか
  • ダウン症の方のアルツハイマー病リスク
  • ダウン症とアルツハイマー病が併発したときの症状

疑問を解消するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

関連記事

65歳以上の高齢者が人口の7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会と呼ばれますが、日本は2007年に21%を超え、超高齢社会となりました。超高齢社会に伴い、65歳以上の約6人に1人は認知症有病者です。そのため、いつ身の周りにい[…]

スポンサーリンク

ダウン症とは

ダウン症とは、染色体異常によって知的障害と身体的異常がみられる症状です。

染色体とは人間の細胞の中にあるDNA遺伝子情報です。
通常、人間には46本23組の染色体が存在します。

しかしダウン症の方は21番目の染色体が3本あり、通常2本の健常者よりも1本多く存在します。

21番目の染色体が1本多いことが一般的なダウン症の原因とされています。

スポンサーリンク

ダウン症とアルツハイマー病の関係

次にダウン症とアルツハイマー病の関係について、リスクや発症時期の観点から解説します。

リスク

アルツハイマー病のリスクはダウン症と大きく関係しています。

65歳以上のダウン症の方は、その75%を超える割合でアルツハイマー病だといわれています。

同じ年代の健常者に比べ6倍ほどの発症リスクがあります。

発症時期

ダウン症の方がアルツハイマー病などの認知症を発症する時期は、健常者よりも早いことが研究から分かっています。

一般的に、18歳から65歳までの間で発症する若年性認知症の方は10万人あたり約50人というデータがあります。(令和2年若年性認知症実態調査結果概要|厚生労働省

そのうち、アルツハイマー病が原因で発症した方の割合は52.6%です。
それに対しダウン症の方は55歳までに発症する割合が5人のうち3人と、約6割の方が発症するといわれているのです。

その他の認知症の発症

ある研究グループの解剖結果の報告では、その他の認知症の発症についての報告があります。

報告では40歳までのダウン症の方の脳には認知症の兆候があるとしています。

関連記事

アルツハイマー病によって、日常生活を送るのも困難な高齢者の方がいます。もし、周りにアルツハイマー病で苦しんでいる方がいたら、どのように対処すべきなのでしょうか?今回はアルツハイマー病について、以下の項目を中心に解説します。[…]

おすすめ記事

アルツハイマー病によって、日常生活を送るのも困難な高齢者の方がいます。もし、周りにアルツハイマー病で苦しんでいる方がいたら、どのように対処すべきなのでしょうか?今回はアルツハイマー病について、以下の項目を中心に解説します。[…]

ダウン症とアルツハイマー病が併発したときの症状

ダウン症の方のアルツハイマー病の症状はさまざまです。
一般的な認知症症状として現れるものもあれば、ダウン症の方特有の症状もあります。

見当識障害

見当識障害とは、時間や場所、人間関係といった事柄が識別できなくなってしまう障害です。

アルツハイマー病のダウン症の方には見当識障害の症状がみられます。
見当識障害には以下のような症状があります。

時間的な状況把握ができない

現時刻や日付、曜日にはじまり、暦や季節感覚がわからなくなります。

進行すると自分の誕生日や年齢もわからなくなります。

場所などの状況が把握できない

自分の慣れ親しんだ自宅の近所でさえ道に迷います。

距離感覚も失われ、かなり距離の離れたところまで歩いてしまうこともあります。

ごく近しい人間関係が把握できない

目の前の人と自分の関係性がわからなくなります。

症状が悪化すると自分の家族でさえ認識できなくなります。

ADL(日常生活動作)の劣化

ADLとは、人間が生存のために行う非常に基本的な行動のことです。

アルツハイマー病のダウン症の方には、身体機能と認知機能が低下し、ADLが劣化する症状がみられます。

身体機能には主に体力や筋力、内臓機能などが挙げられます。
身体機能が低下すると立つ・歩くが難しくバランスが保てなくなり、その結果転びやすくなります。

また細かい手作業が困難になり、箸を使う・衣類のボタンをかけることができなくなります。

認知機能が低下すると、料理を作るなどの手順が必要なことや計画を立てることができなくなります。

簡単なお金の計算や、身近なものの名前が思い出せないといった症状もみられます。

昏睡状態

昏睡とは目を閉じた状態で意識を失い、覚醒させることができない状態です。

末期症状として、昏睡状態になってしまう方もいらっしゃいます。
認知症の中でも重度のステージとされています。

運動障害

運動障害とは、体の筋肉が弱まることで一般的な運動ができなくなることです。

運動障害は以下のようなことが挙げられます。

  • 腕を上げられない
  • 階段の昇降ができない
  • 長時間の歩行ができない
  • 重いものを持てない
  • すぐに疲れてしまう

摂取障害

摂取障害とは、精神面の不安定がもたらす食事に関連する障害です。

摂取障害を発症した人は、そうでない人に比べ死亡率が高いことが報告されています。

摂食障害が判明してから6ヶ月での死亡率は38.6%と非常に高い割合です。

健達ねっとのお買い物サイト

ダウン症の方のアルツハイマー病検査

ダウン症のアルツハイマー病検査には、どのようなものがあるのかご紹介します。

アルツハイマー病の機能評価ツール

機能評価とは、医療機関などで利用される外部機関からの適正な評価を行う検査項目です。

検査項目のためにさまざまな解説書や事例、データをまとめたものがツールとして利用されます。

自宅で自己診断できるツールに「長谷川式認知症スケール」があります。
長谷川式認知症スケールは以下の9つの設問に分かれています。

  • 自分の年齢
  • 日時の確認(日時見当識)
  • 場所の確認(場所見当識)
  • 3つの言葉の暗記
  • 計算問題
  • 数字を逆から読む
  • 暗記した単語の復唱
  • アイテムを5つ見せた後に確認する暗記テスト
  • 流暢性の確認:野菜や果物などジャンルを絞って多く答えてもらう

そのほかにも、認知症自己診断テストやミニメンタルステート検査(MMSE)などがあります。

ダウン症の認知症尺度

ダウン症の認知症尺度を出すための検査があります。

ダウン症の方本人をよく知る家族などが答えるシートで簡単な質問が60問以上用意されています。

検査の結果により実行機能、記憶機能、言語機能、総得点で尺度を判別します。

スポンサーリンク

ダウン症が引き起こしやすい合併症とは

ダウン症の方は比較的合併症を起こしやすいとされています。

ここでは、アルツハイマー病以外でどのような合併症があるのかご紹介します。

  • 先天性心疾患
  • 先天性消化管閉鎖症
  • 一過性骨髄増殖症

先天性消化管閉鎖症とは、口から肛門までの器官を消化管といい、生まれつき閉鎖している疾患です。

一過性骨髄増殖症では、白血病様芽球というガンの一種が血中に増加してしまいます。

スポンサーリンク

ダウン症とアルツハイマー病のまとめ

まとめ

ここまで、アルツハイマー病とダウン症についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • ダウン症は知的障害と身体的特徴がみられる症状である
  • ダウン症の人はアルツハイマー病になるリスクが高く、発症時期も早い
  • 見当識障害やADLの劣化、運動や摂取障害などが見られる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

スポンサーリンク