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祖母の話

 

2016年11月半ば。

わたしは理学療法士を取るために3年制の短期大学に在学していました。実家から通える範囲に学校がなかったため一人暮らしをしていました。最終学年になり学校のカリキュラムもだいたい終え、3か月後の国家試験に向けて勉強していました。

その日も日が暮れるまで短大の仲間と国試勉強をして家に帰りました。午後9時、さぁもうひと踏ん張りと思ったとき、実家からの電話が鳴りました。

「ばーちゃんが倒れた」

母から一言。思ってもみなかった電話でした。

実はその日の昼間たまたま電話をして元気そうな声を聞いたので、その祖母が倒れたということがどういうことかすぐに理解できませんでした。

意識がないということで万が一のことも考えて『今すぐ帰らんと!』と思い、深夜0時、友人に車を出してもらい2時間かけて病院まで送ってもらいました。

祖母は80歳なのに仕事はもちろん、近所の畑も手伝うほどバリバリ現役でやっていました。そんな感じなので認知症とは全く縁がなく、パーキンソン病と発覚して最近少し弱ってきたじーちゃんにも「もうちょっとシャキッとしとかんと!」と容赦なく喝を入れるような元気な祖母。

突然倒れるということはかなりまずい状況なんじゃないかと、道中気にかけて話しかけてくれる友人の声にも反応できないくらいよからぬ想像を巡らせながら病院に到着しました。

病室では祖母が酸素マスクや心電図モニターなど無数の管に繋がれていて見たこともない姿で横になっていました。

 

母が医師から伝えられた祖母の状態は「くも膜下出血で出血の程度が一番ひどいグレードⅤ」でした。