低血圧は、私たちの生活で身近な身体の症状です。
立ちくらみやめまいがあった時、まず低血圧を疑ってしまいます。
低血圧の症状や改善方法、基準となる数値はどんなものがあるのでしょうか。
本記事では、低血圧について気になる以下の点を詳しくご紹介します。
- 低血圧と診断される基準値や症状とは
- 低血圧を改善する方法はなにか
- 中高年で見られる低血圧とは
ご自身の身体の状態や、低血圧について知るためにも参考にして頂ければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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血圧とは
血液は心臓から出て、全身を巡ります。
血液は酸素や栄養を全身に届ける役割を担っているのです。
血管が流れていく際に、動脈の内側にかかる圧力のことを血圧といいます。
血液に圧力をかけて、規則的に動脈を通じて、全身に血液を送っています。
血圧は心臓が収縮して、押し出す時に強くなります。
心臓に近いところほど高く、指先や足などの末梢血管にいくほど低くなります。
血液を計る時「最高血圧」と「最低血圧」が計測されます。
心臓は、手でグーパーするように収縮と拡張を繰り返します。
そのため、収縮期血圧と拡張期血圧を計測するのです。
また1日の活動状況や季節によっても、血圧の数値は左右されます。
性別や年齢でも、違ってくることが分かっています。
高血圧に興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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低血圧とは
朝起きるのが辛かったり、立ちくらみを起こすことは誰しも経験があるでしょう。
こういった症状があると、低血圧ではないかと不安になります。
低血圧とはどのような症状か、確認していきましょう。
低血圧に明確な診断基準はない
日本では、高血圧のように低血圧に対する明確な基準はありません。
WHOの基準の低血圧は、
収縮期血圧(上)100mmHg以下
拡張期血圧(下) 60mmHg以下
としています。
主に上の基準を下回った状態で、他の症状がある時は注意が必要だと言われています。
他の症状がない場合、拡張期血圧(下)の基準はさほど重要視されません。
高血圧と違って治療の必要性は低いようです。
低血圧の原因と分類
低血圧は主に3つの血圧症による症状から、細かく分類されます。
本態性(一次性)低血圧 | 急性低血圧 |
症候性(二次性)低血圧 | 慢性低血圧 |
起立性低血圧 | 体質性低血圧 |
本態性(一次性)低血圧
遺伝的な要素が強く、常に低血圧の状態で低血圧症の原因の9割にも及びます。
慢性低血圧に分類され、特別原因となる疾患がないことが特徴です。
症候性(二次性)低血圧
さまざまな疾患により低血圧の症状が表れます。
主な病気には下記があげられます。
心臓の疾患 | 大けがによる大出血 |
肺疾患 | がんの末期 |
甲状腺機能低下症 | 貧血 |
起立性低血圧
体が横になった状態から、急に立ち上がった時に起きることが多い症状です。
自律神経が大きく関わっており、思春期や成長期、朝起きた時などに発症します。
血圧のコントロールがうまく働かない時に起きやすくなります。
神経系の障害により、健康な人でも起こる起立性低血圧症があります。
特発性起立性低血圧といわれる低血圧症です。
朝礼などで立ちくらみやめまい、失神などを起こすのは血圧調節障害によるものです。
頻繁に発症しなければ、ほとんど心配はいりません。
その他急性の低血圧
次のように低血圧が急に起こる可能性もあります。
- 急性のアレルギー症状(アナフィラキシーなど)
- ショック症候群(重い外傷など)
- 急性アルコール中毒
思わぬところで低血圧となる場合があります。
症状の観察をし、適切に処置できるようにしましょう。
緊急の場合には、救急に連絡できるようにしておきましょう。
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低血圧の症状
ここまで、低血圧について解説してきました。
では具体的に、低血圧になるとどんな症状が表れるか見ていきましょう。
症状 | 関連箇所 |
立ちくらみ・めまいが1番多い症状で、脳への血液循環が足りずに起きる | 脳循環からくる症状 |
動機・息切れ・不整脈・心臓へのポンプ・機能が低下して起こりやすい | 心臓にかかわる循環器症状 |
食欲不振・腹痛(特に朝に起こりやすい) | 消化器症状として |
その他 | 肩こり・顔色が悪い・倦怠感 |
気になる方は、改善方法をしっかり学んで健康維持につなげましょう。
低血圧を改善するには?
多様な症状が出る低血圧は、日常的に意識することで改善につなげます。
主な改善の方法をご紹介します。
規則正しい生活をこころがける
就寝時間と起床時間を一定にしましょう。
睡眠を十分とって朝は日光を浴びるようにしましょう。
日光を浴びることで自律神経が整い、低血圧の改善効果が期待できます。
バランスのよい食生活&水分をしっかりとる
タンパク質(主菜になる肉・魚・大豆類)を積極的に摂りましょう。
不足しがちなミネラル(野菜・海藻類)を意識して摂るようにしましょう。
食欲不振の場合、量よりもバランスを考えて摂ることが大切です。
充実した食生活は、体重減少による起立性低血圧の悪化を防ぎます。
また、人が1日に必要とする水分の摂取量は1.2リットルです。
1日何回かに分けて摂取することで、血液中の水分量が増えます。
血液中の水分量が増えると、低血圧になるのを予防します。
適度な運動をする
運動をすることで筋肉が鍛えられ、血液の循環がよくなります。
特にウォーキングや階段の上り下りは、ふくらはぎの筋肉が鍛えられます。
足の末梢神経から血液が心臓に戻る役割の改善に大いに役立ちます。
アルコールをひかえる
アルコールを摂取すると血管が拡張するため、血圧が低下します。
低血圧でアルコールを飲むことにより、血圧がさらに下がる危険が高まります。
アルコールは、なるべく控えるようにしましょう。
食後にコーヒーを飲む
コーヒーに含まれるカフェインが、副交感神経を刺激して血液の循環が良くなります。
カフェインはお茶や紅茶にも含まれます。
カフェイン含有量はコーヒーが1番高くなっています。
低血圧の方には、コーヒーでの摂取が効果的です。
薬物療法
低血圧の治療には、生活習慣の見直しや食事、運動などの方法がありますが、それだけでは効果が得られない場合や、症状が重い場合には薬物療法が考慮されます。
以下は、低血圧治療に使用される主な薬剤についての説明です。
メトリジン
この薬は交感神経α受容体を刺激することで、主に末梢の静脈を収縮させ、血圧を上げる効果があります。
特に、起床時に水なしで使用できる点が利点とされています。
リズミック
この薬はノルアドレナリンの不活性化を防ぐことで、交感神経を刺激し、静脈の鬱血を改善する作用と心臓からの血液拍出量を増やす作用があります。
メトリジンと比較すると、リズミックの方が効果が強いとされています。
また、低血圧の随伴症状に対しては、漢方薬が使用されることもあります。
例えば、五零散はむくみやめまい、頭痛などの症状に、当帰芍薬散は冷え性や貧血、倦怠感などの症状に効果があるとされています。
低血圧の治療には、これらの薬物療法の他にも、ビタミンやサプリメント、抗不安薬や抗うつ薬など、さまざまな方法が考えられます。
しかし、薬物療法を始める前に、専門医の診断とアドバイスを受けることが重要です。
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女性の血圧が低下している
女性はご自身で低血圧だと感じる方が多いと思います。
女性は男性よりも平均的な血圧値が低いのです。
女性ホルモンに、末梢の血管を拡張する働きがある事が理由としてあげられます。
収縮期血圧(上の血圧)は、年代が進むにつれて低くなっています。
1980年では120mmHgだったのに対し、2000年では115mmHgです。
30代のデータからも、年々低くなっていることが分かります。
出典:厚生労働省【年齢階級別 収縮期血圧値の分布】
中高生で多く見られる起立性調節障害症状
起立性調節障害は、主に起立性低血圧を特徴づける症状です。
起立性低血圧は、自律神経の調節の乱れから起こります。
起立性調節障害は学童期に多いとされます。
「児童生徒の起立性調節障害症状」は小学校の低学年からわずかにあります。
調査報告によると高学年で、男子2.2%、女子3.5%でした。
小学生から中学生になると一気に増えて、中学生男子16.9%、女子25.6%となります。
高校生も同様に高く、高校生男子21.7%、女子27.4%という結果でした。
出典:厚生労働省【起立性調節障害症状 資料】
主な症状は以下の通りです。
- 朝なかなか起きられない
- 頭痛がたびたび起こる
- 朝食を食べる気にならない
- 午前中は倦怠感等の症状が出やすく、午後になると元気になる
思春期によくみられる様子ですが、小中高生でこのような症状が見られたら【起立性調節障害】の可能性も考えられます。
特に生活変化が大きくなる中高生に急増する症状なのです。
中高生のお子さんがいらっしゃるご家庭の方は、注意して見る必要があります。
低血圧の人が食べてはいけないもの
アルコールが低血圧には良くないことを紹介しました。
ここではアルコール以外の低血圧の方が摂取に配慮すべき食品や飲み物を紹介いたします。
カフェインを含む飲み物
先ほどコーヒーは低血圧に良いと言いましたが、カフェインは一時的に血圧を上げることがありますが、その後に血圧が下がる可能性があります。
そのため、コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインを含む飲み物は、過剰摂取しないように注意が必要です。
高塩分の食品
高塩分の食品は体内のナトリウム濃度を上げ、水分の排出を促すことで血圧を下げる可能性があります。
そのため、塩分の多い加工食品やスナック類、保存食品などの摂取を制限することが勧められます。
高糖分の飲み物
高糖分の飲み物は急激な血糖値の上昇と下降を引き起こすことがあります。
この血糖値の変動は一時的な血圧の変動にも関連しています。
したがって、砂糖が添加された飲み物や甘いジュースの過剰摂取を避けることが重要です。
高脂肪の食品
高脂肪の食品は消化に時間がかかり、血液の循環を妨げることがあります。
特に、揚げ物や油っぽい食品に多く含まれる飽和脂肪酸は控えるべきです。
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低血圧まとめ
ここまで低血圧についてお伝えしてきました。
低血圧の要点を以下にまとめます。
- 低血圧の原因は【遺伝的】【疾患によるもの】【思春期】などがある
- 低血圧の主な症状は、立ちくらみ、めまい、動機、息切れ、不整脈がある
- 低血圧を改善する方法は、バランスよく食べ規則正しい生活を送ること
- 適度な運動、水分をしっかりとる、食後のコーヒーなども効果がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。