コロナ禍でのおうち時間が増えた昨今、家族や自分自身の健康志向への高まりが顕著になっています。
社会人として忙しく働くなかで、今までは何かと無頓着だった食事内容を気にかける人が増え、専門的な知識が欲しいと感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では以下の内容を中心に解説していきます。
- 栄養士とは
- 社会人の栄養士資格取得方法
- 社会人の方が取れる栄養士のような資格
国家資格である栄養士に関する知識や、社会人にも取得しやすい栄養士に類似した資格のご紹介・栄養士資格との違いも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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栄養士とは
栄養士の仕事は、『食と栄養』の専門家として食事の管理をする仕事であり、個人・または集団に対して主に3つの役割があります。
- 食事や栄養の指導
- 献立作成・食品発注
- 栄養の計算
また、栄養士資格は2種類あります。
それぞれ解説していきます。
栄養士とは?
都道府県知事が認定する国家資格です。
栄養学に基づき、バランスの取れた献立の作成や調理方法の改善などを行います。
管理栄養士とは?
厚生労働大臣が認定する国家資格です。
栄養指導のための企画立案、ケガ・病気の方々に対する療養のために必要な栄養の指導を行います。
また、2種類共に国家資格ですが、免許認定を行う機関が異なります。
栄養士について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみてください。
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社会人の栄養士資格取得方法
社会人が栄養士の資格を取得するための方法は、専門学校に通うことが1番の近道と言われています。
それは、栄養士の資格は大学や短大・専門学校などの栄養士養成施設で、2年以上栄養士として必要な知識および技能を修得する必要があるからです。
働きながら栄養士の資格は取れる?
残念ながら、栄養士養成施設には通信教育や夜間学校がありません。
全て昼間部の学校となります。
そのため、社会人として働きながら栄養士資格を取得するためには主に以下の生活サイクルに変更することが必要となります。
- 日中は栄養士養成施設で勉強・夜に仕事をする
- 平日は栄養士養成施設で勉強・休日に仕事をする
栄養士資格取得方法
栄養士資格取得方法の流れを解説します。
①養成施設へ入学
厚生労働大臣から栄養士養成施設として指定認可された学校に入学します。
(修業年限4年の大学、または修業年限2年の短期大学および修業年限4年・3年・2年の各種・専門学校)
指定認可された学校であれば、4年制・2年制等に関わらず取得できる栄養士資格は同じです。
栄養士養成施設は138校(2019年度・一般社団法人全国栄養士養成施設協会より)ありますが、入学条件として高卒以上となっています。
②卒業
各養成施設で必要単位を取得し、卒業となります。
③栄養士免許申請
卒業後に、各都道府県知事に栄養士資格免許の申請をする必要があります。
④栄養士資格取得
養成施設を卒業し、申請すると晴れて栄養士資格の取得となります。
養成施設での成績は資格取得の可否に反映されません。
社会人の方が取れる栄養士のような資格
社会人が働きながら栄養士資格を取得することは時間的・体力的にハードルが高めだということが分かりました。
そこで、働きながらでも比較的取得しやすい食に関する資格についてご紹介します。
フードコーディネーター
料理作りや食材発注等に加え、店舗の設計や食をテーマとしたイベント開催といった、フードビジネス全般を請け負うために有利となる、日本フードコーディネーター協会の民間資格です。
以下は主な活躍の場です。
- 『食』の演出をする際のテレビ・雑誌撮影現場
- 食品メーカーやコンビニ等の新メニュー開発のアドバイザー
- 料理教室の講師
最初はアシスタントとして下積みのような仕事が多く体力的にもハードです。
有資格というだけでは仕事獲得に繋がりにくいため、日々食に対する情報のアップデートを意識しながら、知識や技術を深めていくことが重要となります。
3級~1級まであり、2級がプロへの入り口です。
いきなり2級・1級の受験は不可で、3級から順に受験し合格していくことが必要となります。
中学生以上という受験資格なので、社会人であれば基本的には受験できます。
- 3級…マークシート方式
- 2級…【1次試験】マークシート方式
【2次試験】講座受講後、3つの専門分野より1つ選んで企画書提出 - 1級…【1次試験】講座受講後、3つの専門分野より1つ選んで企画書提出
【2次試験】プレゼンテーション・面接
食生活アドバイザー
人が健康な生活を送るための食生活をトータルサポートする、FLAネットワーク協会の民間資格です。
以下は主な活躍の場です。
- スーパーやデパートで食材の説明や、よりおいしく食べるための調理方法の提案
- 飲食店での衛生管理や健康的なメニューの開発、安全な食材調達のためのアドバイス
- 医療・福祉・介護施設での健康促進・体力回復メニュー作成や、1人ひとりに合ったメニューの提案等
- 教育現場での食育マナー指導
- 家庭での安心安全な食材調達や、健康的なレシピ開発
3級~2級があり、併願も可能です。
- 3級…マークシート方式
- 2級…マークシート方式・筆記問題(記述式)
協会主催の1日で集中的に勉強するための対策講座や、通信教育での合格対策講座もあるので、社会人として日中働きながらでも取り組みやすい資格です。
問題集も市販されていますが、高合格率を目指すには講座受講がおすすめです。
受験資格は特になく、社会人が本業での知識を深めるため、家庭での食事作りに生かす等様々な方が挑戦できる資格となっています。
栄養士と管理栄養士の違い
ここまでは、栄養士資格や社会人が取得しやすい食に関する資格のご紹介・説明をしてきました。
続いては栄養士資格からさらにステップアップした国家資格である管理栄養士について、栄養士資格との違いや資格取得方法を説明していきます。
管理栄養士とは
厚生労働大臣認定の国家資格であり、栄養士資格の内容に加えてケガ・病気の方々への栄養指導や体調に合わせた栄養指導が可能になります。
食事の指導だけでなく、栄養士への指導や栄養指導の立場から労務管理・経営管理等に関わることもあり、さらに高度な幅広い知識が必要となることが栄養士との違いです。
管理栄養士の資格取得方法
栄養士資格取得後、栄養士としての実務経験(栄養士養成施設4年制卒:1年間、2年制卒:2年間、1年制卒:3年間)を経て、国家試験に合格することで取得できます。
栄養士と調理師の違い
続いては、間違われることが多い栄養士資格と調理師資格についてです。
具体的にどのような違いがあるのか解説します。
調理師とは
一言でいうと料理を作る人の資格です。
2つの資格の違いは以下の通りです。
- 栄養士…『食と栄養』の専門家
- 調理師…『食材のおいしさを生かして調理する』専門家
栄養士や管理栄養士が栄養計算して作った献立を、実際に作るのが調理師の仕事となります。
調理師は、栄養知識としてはそれほど専門性はないものの、そのかわりに調理技術の高さが武器となります。
主な活躍の場は、栄養士は学校・病院が多いのに対して調理師はレストランや料亭等となりますが、栄養士・管理栄養士のように学校・病院で働く調理師もいます。
調理師の資格取得方法
調理師資格を取得するためには2つ方法があります。
調理師専門学校(養成施設)を卒業するか、飲食店などで2年以上の実務経験を積んだのちに調理師試験を受験し合格する方法です。
受験内容は筆記試験のみで、実際に調理をする技術審査のようなものはありません。
社会人の栄養士の資格取得まとめ
ここまで社会人の栄養士資格取得に関することや類似資格をご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 栄養士とは、『食と栄養』の専門家として食事の管理をする仕事
- 社会人の栄養士資格取得方法は、専門学校への入学が1番の近道
- 社会人の方が取れる栄養士のような資格は、フードコーディネーターと食生活アドバイザーの2つ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。